ぼくは相方とはこのまま同棲でもいいので捨てられないようにしたい

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要するに

結婚すると健康上利益があると考えられていたが、結婚にこだわらず、誰かと一緒に住むという同棲でも、同様の効果が見られる。またその効果は女性より男性に顕著に表れる。

だから

ぼくは相方とはこのまま同棲でもいいので捨てられないようにしたい。

健康や医療の観点から、これまで「結婚している人々は未婚の人々よりも健康で長生きできる」と言われてきましたが、新しい研究によれば正式に結婚していなくとも、「人と一緒に暮らす」ことで結婚と同じような健康上の利益を得られることが明らかになりました。

American Public Health Association - Life-Course Partnership Status and Biomarkers in Midlife: Evidence From the 1958 British Birth Cohort
http://ajph.aphapublications.org/doi/abs/10.2105/AJPH.2015.302644

Good news for unmarried couples—cohabitation is good for you | Ars Technica
http://arstechnica.com/science/2015/08/unmarried-couples-get-health-benefits-too/

結婚することのメリットは人によってさまざまですが、これまでの研究では「健康の面から見て結婚にはメリットがある」というのが通説で、未婚の人々は既婚の人々よりも短命で健康状態もよくないとされてきました。しかし、ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドンの研究で、結婚によって得られるメリットは結婚しなくても得られることが判明しています。

by Tom Waterhouse

この研究は1958年3月のある1週間の間に生まれた、イングランドスコットランドウェールズに住む1万7000人もの人々の教育的・身体的発育や、経済状況、就職状況、ファミリーライフ、健康状態、幸福度、社会参加度などを調べたThe National Child Development Study(NCDS)のデータを元にしています。これまでの研究は人々を既婚・未婚で分けるものが多かったのですが、今回は人々を既婚・同棲中・シングルに分類し、血液検査の結果や呼吸容量といったバイオマーカーから健康状態が調べられました。なお、他者との関係の状態は収入・教育レベル・過去の健康状態から影響を受けるため、今回の研究で使用したモデルはそれらの影響を抑えるよう調整が加えられたとのこと。

調査の結果、まず健康によるメリットは男性と女性で差があることが分かりました。男性について言うと、一度も結婚あるいは同棲をしたことがない人は、データが集められた期間中に結婚していた男性よりも全体的に健康状態が悪かったそうです。一方で、結婚も同棲もしたことがない女性が受ける健康上のデメリットは男性よりも少なかったとのこと。また、女性にとっては結婚のタイミングが大きな意味を持ち、20代後半から30代前半に結婚することが最も健康にとってよく、一度も結婚や同棲したことがない人、および20代前半で結婚した人よりも健康状態がよいことが判明しました。

by Sean Molin

今回の研究で興味深いのが、結婚している人と同棲している人の間に健康状態の差異がほとんど見当たらなかったこと。そして離婚を経て再婚した人、あるいは離婚を経て同棲生活に入った人と結婚をし続けている人の間にも、目立った健康面での違いはなかったそうです。ただし、30代後半で離婚を経験し、その後再婚していない男性に限って言えば、中年期のメタボリックシンドロームのリスクが減っていたとのこと。

つまり、結婚していなくても人と一緒に住むことで結婚した時と同じような健康上のメリットが得られることが分かったわけですが、データは長期的な観察によるものであるため、短期的に見た際の離婚や再婚による正確なストレス度合いは反映されていない点に注意が必要。また、国や時代によっても値が変化するため、今回の調査の対象となった世代よりも若い世代が結婚や同棲によって得られる健康状態の違いについては、さらなる研究が必要だとしています。「結婚で得られる健康上の利益」は結婚しなくても得られることが判明